118回医師国家試験では例年と比べて解きやすい問題はありつつも、新傾向の問題も出たりしました。
特に公衆衛生は暗記だけでは対応できないこともあります。
MEDICAL AI GOALでは医師国家試験の正答率98%のスコアを出したGPT4oをベースに使用しております。
そのため今回新傾向で出題された公衆衛生の問題や計算問題をChat GPT4oに出題してみました。
2群間の血圧の平均を比較するときに用いる統計解析手法はどれか。
a t検定
b χ2検定
c 生存分析
d 比例ハザードモデル
e ロジスティック回帰
AIの回答はaのため正解
t検定を適切に使用するためには、以下の前提条件が満たされている必要があります
28 持続可能な開発のための2030アジェンダ〈SDGs〉に含まれない項目はどれか。
a 貧困撲滅
b 格差の是正
c 遠隔医療の推進
d ジェンダー平等
e 気候変動への対応
AIの回答はCのため正解
遠隔医療は、SDGsには直接的には含まれてはいませんが、目標3の「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」を達成に貢献できる手段ではあるため、受験者を悩ませる問題でしたね・・・
28 摂取カロリーが約80kcalなのはどれか。
a 鶏卵1個(約50g)
b 木綿豆腐1丁(約300g)
c 食パン6枚切り1枚(約60g)
d 米飯(炊飯後)茶碗1杯(約160g)
e ビール中ジョッキ1杯(約570mL)
AIの回答はAのため正解
これは医師がわかる必要があるのかなど賛否が分かれた問題でした。医師や栄養士さん以外でも筋トレしている人はすぐ分かったり変わった問題でしたね。
糖尿病の患者さんなどには、医師からたんぱく質やエネルギー摂取量の指導を受けますが、その際に「食品交換表」を活用しながら1日の食事内容を計画していきます。
次の文を読み、63~65の問いに答えよ。
55歳の男性。便秘を主訴に来院した。
現病歴 : 3か月前に会社内で配置転換があり勤務中にトイレに行きにくくなった。元々、便秘がちであり便が硬くなった。2週間前から腹部膨満感が出現したため受診した。排便回数は3日に1回でいきむことなく排便しているが、便は兎糞状である。
既往歴 : 45歳から高血圧症で降圧薬を服用している。今まで大腸がん検診を受けていない。
生活歴 : 喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。会社員で経理の仕事をしている。海外渡航歴はない。
家族歴 : 父が74歳時に大腸癌で手術。
現 症 : 意識は清明。身長165cm、体重68kg(体重の増減はない)。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧136/80 mmHg。呼吸数10/分。SpO2 97%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内にアフタを認めない。甲状腺と頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で腸雑音の亢進・減弱を認めない。直腸診で血液を認めず、明らかな腫瘤を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球468万、Hb13.9g/dL、Ht42%、白血球8,300、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL、アルブミン3.9g/dL、総ビリルビン0.9 mg/dL、直接ビリルビン0.4 mg/dL、AST22U/L、ALT18U/L、LD172U/L(基準124~222)、ALP83U/L(基準38~113)、γ-GT32U/L(基準13~64)、アミラーゼ95U/L(基準44~132)、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、血糖98mg/dL。CRP0.2mg/dL。胸部エックス線写真では心胸郭比46%、肺野に異常を認めない。腹部エックス線写真で小腸ガスや鏡面像を認めない。まず便潜血反応を行うこととした。
63 この患者の大腸に何らかの病変がある検査前確率(事前確率)を20%としたとき、便潜血反応陽性であった場合の検査後確率に最も近いのはどれか。
ただし、便潜血反応の感度は80%、特異度は90%とする。
a 33%
b 53%
c 57%
d 67%
e 97%
AIの回答はDのため正解
118回は統計・解析の問題は特に多かった印象を持つ受験者の方は多かったと思います。
ベイズ定理は初学者には難しいことが多いですが、臨床判断に欠かせない考え方のひとつですが、診断学における検査の意義と確率の解釈を学ぶ良い機会です。
感度・特異度の概念を明確に理解し、計算練習を重ねることで臨床推論に自信を持てるように取り組んでいきましょう。
64 便潜血反応陽性であったため下部消化管内視鏡検査を行うこととした。
この患者への検査当日の前処置で適切なのはどれか。
a 下半身を除毛する。
b 肛門周囲を消毒する。
c 腸管洗浄液を内服する。
d バリウムを内服する。
e ホルマリンを注腸する。
AIの回答はCのため正解
内視鏡検査における基本的な知識を確認する良問です。
迷わず腸管洗浄液の内服を選択できるよう、内視鏡検査の手順や適応を整理しておきましょう。
65 下部消化管内視鏡のS状結腸像(別冊No. 7A~D)を別に示す。
この患者に行われた内視鏡治療はどれか。
a 異物除去術
b ステント留置
c 静脈瘤硬化療法
d ポリペクトミー
e 内視鏡的粘膜下層剝離術〈ESD〉
AIの回答はDのため正解
臨床現場で頻出の「ポリペクトミー」に焦点を当てた良問です。基本的な内視鏡治療の適応を確実に押さえ、他の選択肢と区別できる力をつけましょう。